スーパーボランティア尾畠さん、1993 年から活動を続け
ている彼の存在が、私の記憶に登場したのは東日本大震災の折り。その後も映像を通して一瞬だが、何か災害が起こるとその場に彼の姿があるのを目にし、いつも頭が下がる思いでいた。そして、80 歳を過ぎた今、九州地域の豪雨
被害と向き合っている。変わらずパワフルにボランティア
活動を続ける彼のもとには、自然にボランティアに参加し
た人達が集まり、その中心に彼の存在が有るのだと。長い
時を経て彼が積み重ねてきた様々なボランティアとして
の、人としての経験が、彼の人となりが、自然に人を集め
るのだろう。人のために、の思いはあっても何からすべき
か、何をすれば良いか…そんな不安の中では彼の存在は大
きく、ある意味ボランティア活動は命がけでもあることを
思えば、互いに運命共同体?、被災した人達と共に如何に
安全に、迅速に、効率よく…を心掛けるには、彼の指揮の
もとで活動できることは、被災者にとっても、ボランティ
アにとっても本当に貴重な事であり、またその繋がりが今
後の活動のあり方として道標にもなると圧倒的支持が。
では「ボランティア」とは? 何も災害時の救援活動、
支援の物資に限らず、公園のゴミ拾いを始め、地域の清掃
等身近で誰にも可能な行動でもあり、人が喜ぶ、人の手助
けになることを進んで行うこと…。そう、大切なことは、
相手への優しさや思い遣りを肝に命じ、自分に出来ることを精一杯することであり、その方法は様々だということ。
実はこんな話が…。東日本大震災の折り、労力の提供は
無理でも自分の持つ技術や、金銭等々可能な形で支援を…
と動き出したアーティスト達の活動に対して、売名行為その思いが及ぶ。
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人は自分本意、自己中心的に成り勝ち。何が正しくて、何が間違っているのか…思えば思うほど、人と向き合うとき、思い込みや偏見、人の意に流されず、向き合う人への思い遣りや優しさを持って、可能な限り相手の思いを理解する努力を惜しまず接することが、人を理解する為だけでなく、人に自分を理解してもらう為にも必要なことではないだろうか。一方的に相手を責めて攻撃する前に、例え時間が掛かっても互いに理解し合う努力を…誰もがそう望んでいても現実はそう簡単には行かない。だからと言って、諦めては何も変わらない。一人一人の思いが、大きな力に成って行くことを疑わずにいたい。
無差別テロ!人のなせる行為ではない!地元で起きた京都アニメーションの余りにも悲惨な事件や、穏やかではない近隣諸国や諸外国等々の不穏な流れ…そんな重苦しい日々の中、「スマイルシンデレラ」のニュースが飛び込んできた。名付けたのは海外メディア、言葉も通じない二十歳の女子プロゴルファーの笑顔が、人々の心に響き、優勝前から人気者に。彼女の有りのままの素直な行動、溢れる自然な笑顔が、回りにいる人々の心まで幸せな、穏やかな、暖かな気持ちにさせたのだ。
今、人と人を繋ぐために必要なものは、慌ただしい現代社会の中で皆が忘れがちな、「自然に笑える心のゆとり、素直であること、自分らしくあること、そして正直であること」だと証明してくれた? 笑顔で交わす言葉が持つエネルギーを誰もが感じたのでは。彼女の笑顔につられてふと笑顔に…、怒る人はいない。
華道専慶流 西阪慶眞 |